文香のコラム
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2021/09/09
書で気分転換してみませんか?

NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」でヒロイン・百音が登米で下宿することになる新田サヤカの家の壁には、「貞山政宗公遺訓」と題された教えが掲げられています。
貞山(ていざん)政宗公とは、ドラマの地元・宮城県の英雄である伊達氏第17代当主、仙台藩初代藩主の伊達政宗のこと。
五常(儒教において重んじられる五つの徳)
「仁義禮智信」
「五常」の教えを具体的に紹介していきましょう。
「仁」は、人を愛し、思いやることをいいます。孔子は「五常」のなかでも最高の徳目としていました。
「義」は、利や欲にとらわれず、世のため人のために行動することをいいます。日本の武将、上杉謙信が「義の武将」と呼ばれていることも有名です。
「礼」は、謙遜し、相手に敬意を払って接することをいいます。「仁」を具体的な行動にしたもので、後に人と関わるうえで守るべきことを意味するようになりました。
「智」は、偏らずに幅広い知識や知恵を得て、道理をわきまえることで、善悪を判断することをいいます。
「信」は、人を欺かず、また人からは信頼してもらえるように常に約束を守り、嘘をつかず、誠実であることをいいます。
この五条の教えをもとに
「貞山政宗公遺訓」
仁に過ぐれば弱くなる
義に過ぐれば固くなる
禮(礼)に過ぐればへつらいとなる
智に過ぐればうそをつく
信に過ぐれば損をする
現代語の意味:
人に思いやりや情けをかけすぎると、自分が(相手も)弱くなる。
正しさや道理を貫きすぎると、考え方が固くなる。
他人を敬い尊重しすぎると、媚びへつらいとなる。
賢すぎると、嘘つきになる。
相手を信じすぎると、騙されて損をする。
五条訓には続きがあります。
氣長く心穏かにして、萬(よろず)に儉約を用て金銭を備ふべし。
儉約の仕方は不自由を忍ぶにあり。
此の世に客に來たと思へば何の苦もなし。
朝夕の食事うまからずともほめて食ふべし。
元來客の身なれば好嫌は申されまじ。
今日の行をおくり、子孫兄弟によく挨拶をして、娑婆の御暇申すがよし。
「もっと気分を楽にして、素直になって、穏やかにし、この世に”お客さん”になって生まれて来たと考えれば、何も苦しいことはない。
人は生まれることで初めて、この世に生きているのであり、死ぬことでこの世とは別れて、再び旅立つのだから・・
この世にお客さんとして生まれて来たことにする
毎日の食事も美味しいと褒めて食べるべきだ。
元来、客として生きている身なのだから、好き嫌いを言ってはいけない。
今日死ぬものだと心得て、家族に日々感謝の言葉や挨拶を伝え、悔いの残らないように生活を楽しむのが良い。
さすが私の一推し人武将の伊達政宗公です。
良い言葉でございます。
今のご時世何かと殺伐として心が落ち着かないですが、そんな時こそ書で気分転換リフレッシュ!
炭の香りが心を癒やしてくれますよ。